ブルーベリー 旅に出たい人へ
  風のひとりごと

寅さん映画の全作品を
紹介します!(後編)

(★印は独断と偏見の面白度です)

第21作『男はつらいよ・寅次郎わが道をゆく』★★

 ある日突然、葛飾柴又にUFOが降りてくる。寅さんは、そのUFOに乗り込み遥か彼方の第3惑星に飛んでいく。BGMにピンクレディーの『UFO』が流れている。


第22作『男はつらいよ・噂の寅次郎』★★

 ヒロシの父が、今昔物語を寅さんに聞かせてやる。それに感動する寅さんは人生の無情を悟ります。けれど寅さんは、最後まで今昔物語をコンニャク物語と勘違いしていた。


第23作『男はつらいよ・翔んでる寅次郎』★★

 結婚式を逃げ出してきた桃井かおりが、寅さんに助けを求める話です。


第24作『男はつらいよ・寅次郎春の夢』★

 寅さんは、アメリカ人が大嫌いです。なのに、トラヤの2階にアメリカ人が下宿することになったからさあ大変。喧嘩だ喧嘩だ! 日米決戦だ! けれど、ちょうどそこに美人の英語の先生が現われた。


第25作『男はつらいよ・寅次郎ハイビスカスの花』★★★★

 寅さんがリリーにプロポーズする作品。リリーが出ている作品は、どれも傑作ぞろいです。人によっては、この作品を寅さん映画のナンバーワンに指定しています。


第26作『男はつらいよ・寅次郎かもめ歌』★★

 定時制高校を受験する伊藤蘭の前で「落ちる」「すべる」という言葉は使わないようにと寅さんがみんなに言い含める寅さん。ところが、意識しすぎて逆に禁句を全部口にしてしまうという寅さんでした。寅さん映画には、この手のギャグがとても多いんです。


第27作『男はつらいよ・浪花の恋の寅次郎』★★

 浪花の芸者ふみ(松坂慶子)に惚れる寅さん。テレビドラマ「北の国」の純君こと吉岡秀隆が満男役で登場。江戸と大阪を舞台にしたこの作品は、空前の大ヒットとなった。


第28作『男はつらいよ・寅次郎紙風船』★★

 マドンナ(音無紀美子)との結婚を夢見て寅さんが就職試験!


第29作『男はつらいよ・寅次郎あじさいの恋』★★★★

 人間国宝の陶芸家と知合った寅さんは、国宝級の茶碗をいただく。しかし価値のわからない寅さんは、粗末に扱って何度も割りそうにになる。それをハラハラ眺める陶芸家たち。そんな陶芸家たちに寅さんは一言。
「心配するな、俺は接着剤のセールスをやってんだ」


第30作『男はつらいよ・花も嵐も寅次郎』★★★★

 スケコマシのジュリー対ブルックリンの寅の対決! オープニングシーン(夢)が一番笑えます。山田洋次監督がノリにノリまくって作っています。けっこう爆笑します。


第31作『男はつらいよ・旅と女と寅次郎』★

 私の故郷、佐渡島がロケ地となった作品。都はるみが、人気歌手の役で登場しています。しかし、映画のできは悪かった。寅さん映画は、吉永小百合とか、三船敏郎、嵐寛十郎といった有名どころが出演すると、作品のできが悪くなる傾向があります。


第32作『男はつらいよ・口笛を吹く寅次郎』★★★★

 坊さんの娘(竹下景子)に惚れた寅さんは、出家を決意します。けれど失敗だらけ。抱腹絶倒の喜劇で、なかなかの名作でした。


第33作『男はつらいよ・夜霧にむせぶ寅次郎』★



第34作『男はつらいよ・寅次郎真実一路』★



第35作『男はつらいよ・寅次郎恋愛塾』★★★

市役所に行った寅さんは、ポストに「ア〜ッ、ア〜ッ!」と大声をだします。しかし、なにも起こらないので首を傾げる寅さん。ポストには「あなたの声を聞かせて下さい」と書いてありました。


第36作『男はつらいよ・柴又より愛をこめて』★★★



第37作『男はつらいよ・幸福の青い鳥』★★



第38作『男はつらいよ・知床慕情』★



第39作『男はつらいよ・寅次郎物語』★★★



第40作『男はつらいよ・寅次郎サラダ記念日』★★★

 寅さんは、間違えて早稲田大学で講義をしてしまう。そのシーンが大爆笑! もうすこしで結婚できたと思われるのに、またもや寅さんは逃げ出してしまう。


第41作『男はつらいよ・寅次郎心の旅路』★

 ウイーンと湯布院(ゆふいん)を間違えてオーストリアに来てしまう寅さん。しかし、寅さんは違和感なくウィーンの町を歩いている。キリスト教の神父さんに「これはこれは御前様」と頭を下げたりする。


第42作『男はつらいよ・ぼくの伯父さん』★



第43作『男はつらいよ・寅次郎の休日』★



第44作『男はつらいよ・寅次郎の告白』★



第45作『男はつらいよ・寅次郎の青春』★



第46作『男はつらいよ・寅次郎の縁談』★



第47作『男はつらいよ・拝啓車寅次郎様』★



第48作『男はつらいよ・寅次郎紅の花』★

 第42作から第48作にかけての作品は、寅さん映画というより、満男(寅さんの甥)の映画です。寅さんは、完全に引き立て役。寅さんファンの私としては、面白くないですね! それに作品もだいぶ質が低下しています。笑えないしシナリオも良くない。
 けれど寅さん映画の観客動員数は、ぐーんと伸びています。でも、これは寅さんの人気と言うより併映の『釣りバカ日誌』の人気の方が大きかったのではないでしょうか? 実際、最近の寅さんは『釣りバカ日誌』に喰われいてる感じがしてなりません。
 しかし、寅さん(渥美清)の訃報を知って、なぜ最近の寅さん映画が面白くなかったのか、どうして寅さんではなく満男が主役になってしまっているのかを知りました。寅さんは、ここ数年、ず〜っと癌と戦っていたんですね。だから威勢のいい演技が見られなかったんですね。知らなかったとは言え、何度、
「最近の寅さんは面白くない」
と映画館の中でつぶやいたことか・・・・。今さら遅いですが、寅さんに申し訳ないことをしたなあ〜と、つくづく後悔している今日この頃です。
【風のひとりごと】
(旧「風のたより」40号掲載文・1996)

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