ブルーベリー 旅に出たい人へ
  風のひとりごと

友は星の如くありたい

「友は星の如くありたい」

 そう思う私です。

 星は、朝がくれば消えてしまいます。でも、消えてしまった星は、確かにそこにあるのです。星が消えてしまったのは、太陽の光りが強すぎたためで、星は確実に、そこにあるのです。
 友情もそうです。どんなに離れていても、何年も会えなくなったとしても、友情は、確かにそこにあるのです。私たちの心の中にあるのです。例え、旅先で一瞬、すれちがっただけでも、手紙だけのつきあいでも、友情という星は、森羅万象の如く不動のものなのです。

 億万の星は、太陽の光りで一瞬にして消えてしまいます。それだけ眩しい太陽の輝きも、夕方になれば、ほんの小さな一番星に、追われて消えていきます。手紙は、一番星のようなものです。手紙という、たった一枚の紙切れは、一番星のように、現実という太陽を夕焼けの彼方に追いやる事が、できるのです。

 私も、この文を読んでる全国の皆さんも、手紙という、まことに心細い手段でしか、つながりがもてない状況下にありますが、それは友情を疎外するものではありません。例え昼間は、その姿を見せないとしても、星は確実にそこにあるように、例えどんなに遠く離れていたとしても、友情は、確実にそこにあるのです。それさえ信じてさえいれば、いつか再会する時が来ます。忘れかけていた大切なものを思い出すことが出来ます。胸をうつ、あつい涙にふれる時が来ます。
【風のひとりごと】
(旧「風のたより」12号掲載文・1994)

← 前へ