旧作 旧作・高原へいらっしゃい 
(昭和50年度・山田太一作品) 

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4話  


特訓中です

配膳の勉強

嬉しそうな面川

 いよいよ最初のお客を迎えることになり、みんなで特訓することになった。

食後のロビーについて私の方針を言いたい

お客さまと従業員とが、

なごやかに歌えるように、

山の高原の味を出したいんだ

しかしね、ここが難しいところなんだ。

ロビーにいるかぎりは、
君たちはまだ勤務中だ
ということなんだ。

だからサービスをする気持ちを忘れてはいけない。

馴れすぎてはいけない。

さりげなくお客さまを
中心にして楽しい時間を作る。

お客さまを仲間はずれにするような事は

絶対に避けなければいけない

 開業当日になりコック長の高間麟二郎(益田喜頓)が突然、夕食をコース一種類のみにする、一泊二食付き10000円にしたいと言い出した。最初は怪訝な顔をしていた面川清次(田宮二郎)大貫徹夫(前田吟)も素晴らしい計画だと賛成した。 だが、一つ重要な事を忘れていた。契約の重さについてである。面川は、一泊朝食付き7000円で、営業していたのである。

わがままな団体客

麻雀客だった

負けて苛立つ課長

フルコースの説明

ちょっと、それはおかしいんじゃないか

飯は食べます、
でもチャーハンか
カツライスで済ますつもりなんだ


 それでもチェックインの時に、きちんと説明していればよかった。しかし、それをちゃんとやってなかった。だから大もめになったのだ。落ち度は全部ホテル側にあった。それなのに杉山七郎(尾藤イサオ)は、客を殴ってしまったのだ。



メシぐらいでガタガタ言うんじゃねえ

マネージャーはどこだ

つづく